ABSTRACT 2111(P10-1)
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フルオレセイン蛍光内視鏡ーー 粘膜内における胃癌の浸潤範囲を決定する新しい手段 : エーカポット・パンナチェート (土浦協同病院病理部)

Fluorescence endoscope by fluorescence sodium -- the new method to determine the extent of cancer in gastric mucosa : Ekapot Bhunchet (Dept.of Path., Tsuchiura Kyodo General Hosp.)

癌組織では腺管上皮の構造異形に伴って、間質内血管構築異常も必ず生じる。この異常血管を描写することができれば、oIIbを含む早期胃癌の範囲を知ることができるはずである。今までの基礎的な研究では、早期胃癌と診断され切除せれたの主幹動脈からinkを注入し、粘膜内血管構築を描写すると早期胃癌の範囲を正確に知ることができた。そこで、早期胃癌の範囲を決定するために胃粘膜内血管が観察できる新しい内視鏡検査を開発するのが我々の研究目的である。<対象と検査方法>:生検で癌と診断された症例を対象にし、粘膜切除や術前内視鏡検査の際に、従来の検査に加えて蛍光内視鏡検査も行う。先端のレンズに濾過フィルターをとりつけた内視鏡を胃に挿入し病変部を映し出しておく。そして、フルオレセインを5ml静注すると同時に光源の前に励起フィルターを入れて観察を行う。<結果>:癌部は周囲の非癌部と比べて一段と強くあるいは弱く光ったりするので癌部と非癌部との境界がはっきりと分かる。これは粘膜内における血管密度やフルオレセインの血管透過性が癌部と非癌部との間に顕著な違いがあるからと考えられる。<結語>:この新しいフルオレセイン蛍光内視鏡検査は通常光による観察と比べより鮮明かつ正確に粘膜における癌の範囲が分かるので、癌の取り残しがないようにするためには粘膜切除や部分切除の際にぜひ施行すべき検査である。