ABSTRACT 2113(P10-2)
食道癌進展における血清CYFRA21-1の有用性:土屋喜一1、恩田昌彦1、宮下正夫1、笹島耕二1、野村務1、牧野浩司1、松谷毅1、大川敬一1、萩原信敏1、山下精彦1、田久保海誉2 (1日本医大・1外、2都老人研・臨床病理)
Serum level of CYFRA21-1 fragment for progression and metastases of squamous cell carcinoma of the esophagus. : Yoshikazu TSUCHIYA1, Masahiko ONDA1, Masao MIYASHITA1, Koji SASAJIMA1, Tsutomu NOMURA1, Koji MAKINO1, Takeshi MATSUTANI1, Keiichi OKAWA1, Nobutoshi HAGIWARA1, Kiyohiko YAMASHITA1, Kaiyo TAKUBO2 (1First Dept. of Surg., Nippon Med. Sch., 2Dept. of Clin. Pathol., Tokyo Metropolitan Institute of Gerontol.)
【目的】CYFRA21-1(CYFRA)は肺癌の腫瘍マーカーとして有用であるとされている。今回我々は、食道癌患者で血清CYFRA値の腫瘍マーカーとしての有用性を臨床病理学的に検討した。【対象と方法】当教室の食道扁平上皮癌手術例53例を対象とした。術前の血清CYFRA値をRIA法にて測定した。また、摘出した食道・リンパ節を、免疫組織学的に検討した。【結果】血清CYFRA値は、腫瘍の外膜浸潤を認める症例で2.7±0.4ng/mLと認めない症例の1.6±0.3ng/mLに比べ有意に高値であった(p<0.05)、またリンパ節転移陽性例では2.3±0.3ng/mLと陰性例の1.9±0.4ng/mLに比べ有意に高値であった(p<0.05)。免疫組織学的には、リンパ節転移巣にCYFRAによる染色を認めた。【まとめ】血清CYFRA値は、食道扁平上皮癌の進展の指標となる可能性が示唆された。