ABSTRACT 2118(P10-2)
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肺癌培養細胞におけるhnRNPA2/B1蛋白の発現様式に関する基礎的検討:佐藤浩昭1,菅間 博2,石川博一3,矢澤卓也2 ,長谷川鎭雄1(1筑波大・臨床・呼内,2筑波大・基礎・病理,3筑波メディカルセ・内)

Expression of hnRNP A2/B1 in human lung cancer cell lines: Hiroaki SATOH1, Hiroshi KAMMA2, Hiroichi ISHIKAWA3, Takuya YAZAWA2, Shizuo HASEGAWA1 ( 1Dept. of Respir. Med., Inst. of Clin. Med., Univ. of Tsukuba, 2Dept. of Pathol., Inst. of Basic Medical Sciences, Univ. of Tsukuba, 3Dept. of Int. Med., Tsukuba Medical Ctr. Hosp. )

【背景,目的】hnRNPA2/B1蛋白は,核内RNA結合してRNAのスプライシングや細胞質への移送に関わっていると考えられる。1996年以降,このhnRNPA2/B1蛋白が肺癌の早期診断に有用であることが報告されている。今回我々は,A2/B1蛋白に対するモノクーナル抗体を作製し,肺癌培養細胞におけるA2/B1蛋白の発現様式に関する基礎的検討をおこなった。
【対象,方法】数種の肺癌培養細胞株,HeLa細胞におけるA2/B1蛋白の細胞内発現様式,及び細胞外分泌の可能性を免疫蛍光染色,Western blotting法にて検討した。さらに,actinomycin D(5μg/ml,4hr)処理によってRNAポリメラーゼIIを阻害した時の発現様式の変化についても検討を加えた。
【結果,考察】細胞により発現量の違いはあるものの,A2/B1蛋白は殆ど核内に限局しているが,僅かに細胞質,細胞膜上にも認められた。細胞膜上のA2/B1蛋白はDTT等の還元剤処理により剥離し,Western blottingにより検出されたが,通常の条件下では培養上清中には検出されなかった。actinomycin D処理によって,細胞質,細胞膜上に分布するA2/B1蛋白の量は増加した。