ABSTRACT 2122(P10-2)
妊娠におけるCA72-4値の変動について:東出香二,三澤俊哉(知多市民病・産婦)
Study of serum CA72-4 level in pregnant women : Koji HIGASHIDE, Toshiya MISAWA (Dept.Ob.Gy. Chita City Hosp.)
(目的)産婦人科領域で汎用されている腫瘍マ−カの妊娠中の変動に関して、CA125とCA19-9では明確にされているがCA72-4に関する報告は少ないために検討を行った。
(対象と方法)妊娠12週未満の妊婦で経腟超音波断層検査にて直径4cm以上の黄体嚢胞を認めた14症例と黄体嚢胞を認めない46症例の合計60例を対象とした。CA72-4の測定方法はIRMA(RIA、固相法)により、カットオフ値は4.0μ/ml以下とした。
(結果)黄体嚢胞合併14例中5例(35.7%)がCA72-4高値、黄体嚢胞陰性46例中では6例(13.0%)がCA72-4高値を示した。有意差は見られないものの黄体嚢胞合併例ではCA72-4が高値となる傾向を示した。また黄体嚢胞長径とCA72-4値との間には明確な関係は認めなかった。
(考察)CA72-4の偽陽性率は3から5%とされているが妊婦の場合には20%程度と高率になっている。今回の結果は黄体嚢胞の存在が影響を及ぼしている可能性を示唆していると思われるので今後も検討を続けたい。