ABSTRACT 2123(P10-2)
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ヒト膵臓からのfetoacinor pancreatic protein(FAP)遺伝子のクローニングおよびcDNA塩基配列の解析:高浜康弘1,4、藤井祐三1,2、岩佐ひとみ1、今井利夫3、吉岡尚文4、江里口正純2、蓮見賢一郎11蓮見癌研、2東大医科研、3東邦大、4秋田大

cDNA cloning and sequece of fetoacinor pancreatic protein(FAP)from human pancreas : TAKAHAMA Yasuhiro1,4, FUJII Yuzo1,2, IWASA Hitomi1, IMAI Toshio3, YOSHIOKA Naofumi4, ERIGUTI Masazumi2 and HASUMI Ken-ichiro1 ; 1Electrochem.& Cancer Inst., 2Dept. of Surg. Inst. of Med. Sci.Univ. of Tokyo, 3Toho Univ.,4Akita Med. Schl.

FAPはマウスMo抗体(M128)により認識される分子量11KDaの糖蛋白質であり、胎児膵20週をピークにそれ以降減少するが膵疾患時に再発現し、血中および膵液に遊離する。膵疾患者膵液より精製したFAPのアミノ酸配列を基に作製した合成DNAを用いてcDNAライブラリーを作製し、FAP遺伝子のクローニングを試みたことについては本大会第54回総会で報告した。今回、FAPのmRNAをコードする全長cDNAのクローニングを行なうとともに、その塩基配列の構造を解析したので報告する。
 ヒト膵組織よりtotal-RNAを抽出後、オリゴヌクレオチドをプローブとしてRT-PCRを行なった。得られたcDNAをファージベクターに組み込み、抗体および合成DNAを用いてスクリーニングおよびクローニングを行なった。さらにプラスミドベクターに組み込んでサブクローニングを行なった後、cDANの塩基配列を解析した。その結果、Mo抗体および合成DNAでのスクリーニングにおいて24クローンが陽性を示し、その中、6種類のクローンが全長をコードする2.4kbのcDNAであった。また、塩基配列の解析結果から既存の遺伝子との相同性は37.0%以下ときわめて低く、同一の遺伝子は存在しないものと思われた。さらに、NorthernおよびSouthern blotによる解析においても膵特異性の高い遺伝子であることがわかった。