ABSTRACT 2125(P10-2)
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Lewis lung carcinoma 2(LL/2)腫瘍移植マウスの腹腔マクロファージの抗腫瘍作用の抑制機序について;吉村真,竹内実(京都産業大・工・生物工)

Suppressive mechanism of anti-tumor effect of peritoneal macrophage in Lewis lung carcinoma 2 (LL/2) bearing mice; Makoto YOSHIMURA, Minoru TAKEUCHI(Dept. of biotech., Kyoto Sangyo Univ)

【目的】前回(第56回)の本学会において、我々はLL/2腫瘍増殖に伴う腹腔マクロファージの腫瘍細胞傷害活性の抑制を報告した。そこで、今回、LL/2腫瘍増殖に伴う腹腔マクロファージの抗腫瘍作用の抑制機序について検討した。
【方法】1.マクロファージ培養上清中のTNF-α濃度及び血清中のIL-10濃度は、ELISAにより測定した。2.TNF-α及びIL-10 mRNA発現は、RT-PCR法により検討した。3.rTNF-αのLL/2腫瘍増殖とrIL-10のマクロファージ腫瘍細胞傷害活性及びTNF-α mRNA発現に及ぼす影響は、3H-thymidineの取り込み及びRT-PCR法により検討した。
【結果】1.TNF-αの産生能は、腫瘍増殖に伴い抑制された。2.TNF-αmRNAの発現は、腫瘍増殖に伴い抑制された。3.rTNF-αの添加により、LL/2腫瘍細胞の増殖が阻害された。4.血清中のIL-10濃度は、正常に比べ腫瘍移植後4週目で増加していた。5.原発腫瘍のIL-10 mRNAの発現は、腫瘍増殖に伴い増強していた。6.rIL-10の添加により、マクロファージ腫瘍細胞傷害活性及びTNF-αmRNA発現が抑制された。
【考察】LL/2腫瘍増殖に伴うマクロファージの抗腫瘍作用の抑制機序は、腫瘍細胞から産生されたIL-10により、マクロファージのTNF-α産生及びmRNA発現が抑制されたためであると考えられた。