ABSTRACT 2183(P11-1)
消化管原発小細胞癌の臨床病理学的検討−DNA ploidyおよびp53、PCNAの染色性を含めて−: 木村寛伸、小西孝司、荒川 元、大西一朗、加治正英、前田基一、薮下和久、辻 政彦1、三輪淳夫2(富山県立中央病院1外科、2臨床病理科)
Primary small cell carcinoma of the alimentary tract: Flow cytometric analysis and immunohistochemical staining for the p53 protein and proliferating cell nuclear antigen: Hironobu KIMURA, Kohji KONISHI, Hajime ARAKAWA, Ichirou Oonishi, Masahide KAJI, Kiichi MAEDA, Kazuhisa YABUSHITA, Masahiko TSUJI, Atsuo MIWA (Department of 1Surgery and 2Pathology, Toyama Prefectural Central Hospital)
【目的】消化管原発小細胞癌において、DNA ploidy patternとp53およびPCNAの染色性を臨床病理像とともに検討した。【対象と方法】1981-1997年に切除された原発性消化管癌のうち小細胞癌と診断された14症例を対象とした。Flow cytometryにて核DNA量を測定し、p53、PCNAは免疫組織化学的に染色した。【結果】発生部位は、食道4例、胃8例、大腸2例であった。DNA aneuploidは8例に、p53陽性例も8例に認められた。PCNAの平均陽性率は72.4±11.6%と高値であった。全症例のmedian survivalは253日で、食道癌42日、胃癌252日、大腸癌262日であった。非治癒切除症例(n=7)は治癒切除症例(n=7)に比べ、有意に予後不良であったが(P<0.01)、DNA ploidyおよびp53の染色性に関しては、有意差は認められなかった。遠隔転移は13例に認められ、肝7例、腹膜3例、胸膜2例、骨1例、脳1例であった(重複症例を含む)。【結語】消化管原発小細胞癌の予後は全体的に不良であった。PCNA陽性率も高値で、生物学的悪性度を反映しているものと考えられた。