ABSTRACT 2184(P11-1)
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胃癌術前化学療法の細胞増殖に与える影響とP53の発現の関係について:平井久也,今野元博, 加藤道男,泉谷 良,西川正康,中山剛之,藤家 悟, 朝野 聡,河村史朗,黒田大介,大柳治正(近畿大学第2外科)

Relationship between the influense of neoadjuvant chemotherapy on proliferation activity and P53 expression in gastric cancer:Hisaya HIRAI,Motohiro IMANO,Mitio KATO,Ryo IZUTANI,Masayasu NISIKAWA,Tuyosi NAKAYAMA,Satoru HUJIIE,Satosi ASANO,Siro KAWAMURA,Daisuke KURODA,Harumasa OHYANAGI(KINKI university school of Medocine)

【目的】P53は悪性化の指標として知られているが化学療法の効果に与える影響は明らかでない.そこで今回我々は,術前に化学療法を施行した胃癌症例においてP53の発現と細胞増殖との関連性について検索した.
【対象と方法】1992年〜1998年までに当科で経験した胃癌手術症例のうち,術直前の3日間に総量1500mgの5Fuを中心とする化学療法を施行した25症例を対象とした(平均年齢56.7±9.9歳,男女比15:10).これらの外科切除標本をホルマリン固定パラフィン包埋後薄切し,HE染色に加えmicro waveによる抗原賦活化処理後,抗P53抗体(DAKO DO-7)と抗MIB-1(Ki67抗体・IMMUNOTEC)を一次抗体とした免疫組織化学染色を施行した(peroxidase labelled polymer method).標本上の癌細胞1000個のうちP53,MIB-1陽性癌細胞をカウントし,それぞれのLabelling index(%)とした.その結果,P53陽性細胞が70%以上のものをP53(+)群,以下のものをP53(-)群とし比較検討した.
【結果】下表に示す.

 MIB-1 index
P53(+)26.9±22.1
P53(-)11±15.6
t検定
p<0.05

【まとめ】P53(+)群では有意にMIB-1 Labelling indexが高く観察された.従ってP53高発現例では化学療法による細胞増殖抑制 が得られにくいと考えられた.