ABSTRACT 2185(P11-1)
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経裂孔的中・下縦隔en bloc郭清術:鈴木 力, 西巻 正, 神田達夫, 大日方一夫, 中川 悟, 田邊 匡, 小向慎太郎, 畠山勝義(新潟大・1外科)

Transhiatal en bloc dissection of the mid-and low-mediastinum : Tsutomu SUZUKI, Tadashi NISHIMAKI, Tatsuo KANDA, Ichio OBINATA, Satoru NAKAGAWA, Tadashi TANABE, Shintaro KOMUKAI, Katsuyoshi HATAKEYAMA(1st Dept. of Surg, Niigata Univ.)

【目的】胸部食道癌および下部食道胃噴門部癌手術における中・下縦隔の経裂孔的郭清手技を紹介し,その意義を検討する.
【方法】開腹後,横隔膜を正中切開し,経裂孔的に郭清を行う.横隔心嚢靭帯の剥離と縦隔胸膜および肺靭帯の切離が手技上の要点である.前方は横隔膜上部下大静脈・心嚢〜両側下肺静脈および下葉気管支を,背側は奇静脈系,胸管,椎体および下行大動脈を露出し,気管分岐部直下までの中・下縦隔をen blocに郭清する.腹部および頚部・上縦隔の郭清を癌腫の局在と進行度に応じ,本手技と併施する.
【成績】1990年以降,214 例に対して本手技を施行した.本手技に起因する合併症は術中肋間動脈損傷と乳糜胸の各1例(1%)のみで,満足する成績である.
【結論】われわれの経裂孔的郭清手技は中・下縦隔郭清を行う上で,優れた安全性と汎用性を有する.胸部食道癌および下部食道胃噴門部癌手術における基本的な中・下縦隔郭清手技である.