ABSTRACT 2186(P11-1)
進行胃癌に対する膵頭十二指腸切除術の意義:岡本和真、大辻英吾、白数積雄、阪倉長平、北村和也、谷口弘毅、萩原明於、沢井清司、山口俊晴(京都府立医大・一外)
Pancreaticoduodenectomy for advanced gastric cancer: Kazuma OKAMOTO, Eigo OTSUJI, Morio SHIRASU, Chouhei SAKAKURA, Kazuya KITAMURA, Hiroki TANIGUCHI, Akeo HAGIWARA, Kiyoshi SAWAI, Toshiharu YAMAGUCHI, (First Dept. of Surg., Kyoto Prefectural Univ. of Med.)
【目的】胃癌で膵直接浸潤、膵周囲リンパ節転移や十二指腸浸潤がある場合、膵頭十二指腸切除術(以下PD)が施行される。そこで、当科で経験した胃癌のPD症例を臨床病理学的に調査し、胃癌に対するPDの意義について検討した。【対象】1984年から1997年までの間に当教室で経験した胃癌でPDが施行された12例。【結果】原発巣の膵直接浸潤でPDになったものが11例、転移リンパ節が十二指腸及び膵に浸潤したためにPDとなったものが1例であった。11例に根治度Bの手術が行えた。組織学的深達度は、si:8例、se:1例、ss:2例、mp:1例で、リンパ節転移は、n0:1例、n1:3例、n2:3例、n3:4例、n4:1例であった。12例中6例が現在も生存中であるが、そのうち2例には再発が疑われている。5生率は44%で、長期生存例も2例(10年2ヶ月、9年4ヶ月)あった。死亡6例のうち4例が腹膜再発であった。【結論】胃癌の膵直接浸潤例に対しては、PDを施行する意義があると考えられた。