ABSTRACT 2189(P11-1)
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早期胃癌に対するリンパ節郭清の意義:生越喬二、宮治正雄、岩田邦裕、近藤泰理、田島知郎、幕内博康(東海大・外)

Lymph node dissection in early gastric cancer: Kyoji OGOSHI, Masao MIYAJI, Kunihiro IWATA, Yasumasa KONDOH, Tomoo TAJIMA, Hiroyasu MAKUUCHI(Dept. of Surg., Tokai Univ. Sch. of Med.)

〔目的〕早期胃癌におけるリンパ節郭清の意義を検討した。
〔対象と方法〕443例のm, sm胃癌を対象とし、D1、D2、D3郭清を、それぞれ、25例、330例、88例に行った。術前に、リンパ球のHLA抗原(A-1, 2, 3, 11, 24, 26, 31, 33; B-7, 13, 17, 27, 35, 37, 39, 44, 46, 48, 51, 52, 54, 55, 56, 59, 60, 61, 62, 67; C-w1, w3, w4, w6, w7; DR-1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 13; DQ-1, 2, 3, 4)を測定した。数量化III類を用いるとHLA抗原発現の頻度から、HLAタイプ1、タイプ2、タイプ3、タイプ4に分類できた。
〔結果〕1.D1、D2、D3郭清の10年生存率は、それぞれ、0.0%, 91.1%, 86.9%で、D1郭清は有意に予後不良であった。2.m癌、sm癌におけるD1、D2、D3郭清の10年生存率は、それぞれ、0.0%, 93.9%, 94.4% および、0.0%, 87.8%, 87.8%で、D1郭清は有意に予後不良であったあった。3.HLAタイプ1の患者では、D1、D2、D3郭清の10年生存率は、それぞれ、0.0%, 95.7%, 87.9%であった。タイプ2では、それぞれ、0.0%、86.4%、77.9%、タイプ3では、100%、87.3%、66.7%、タイプ4では、100%、84.5%、100%であった。タイプ1および2では、D1郭清の患者はD2、D3郭清の患者に比し、有意に予後不良であった。
〔結論〕HLA抗原を測定することによって、リンパ節郭清で恩恵を受ける患者が予測される。