ABSTRACT 2191(P11-1)
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術中迅速病理を用いた胃癌大動脈周囲リンパ節転移診断の問題点:小坂健夫,中野泰治,高島茂樹(金沢医大・一般消外)

A study on operative diagnosis for para-aortic lymph node metastasis from gastric cancer by frozen section: Takeo KOSAKA, Yasuharu NAKANO, Shigeki TAKASHIMA (Dept. of Surg. II, Kanazawa Medical University)

【目的】胃癌の大動脈周囲リンパ節(以下、#16)郭清の際に、術中迅速病理診断(以下、迅速病理)がn4の診断に有用であるかについて検討した。
【対象と方法】1991年1月から1997年12月までに教室で切除した、総合診断で#16転移陽性とされた胃癌のうち、根治度Bの41例を対象とした。癌占居部位はA 13例、M 6例、C 8例、3領域 11例、残胃癌 3例であった。切除は幽切 13例、全摘 28例で、郭清度はD2 6例、D4 35例であった。6例では#16の迅速病理を行わなかった。
【結果】(1) 手術診断NはN0 2例、N1・N2 各6例、N3 2例、N4 25例であった。(2)迅速病理を行った35例中16例(46%)は手術時#16転移陰性と診断され、内4例は迅速病理に用いられたリンパ節の術後の再検討で転移陽性と診断され、他の12例は別に切除された#16が転移陽性と診断された。(3)迅速病理で転移陰性とされた16例の検討では、手術診断NはN0 2例、N1 4例、N2 5例、N3 2例、N4 3例であり、#16転移個数は1個 10例、2・3個 各2例、5・6個 各1例であった。
【結論】胃癌の大動脈周囲リンパ節郭清にあたっては、術中迅速病理診断の限界を踏まえ、術前や術中所見による適応にしたがって郭清すべきであると思われた。