ABSTRACT 2196(P11-1)
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進行膵管癌における線維化巣および β-catenin 蛋白発現の予後因子としての意義:渡邉一郎1,2、長谷部孝裕1、竜崇正2、向井清1 (1国立がんセ・研支所・臨床腫瘍病理、2国立がんセ・東病院・外)

Significance of fibrotic focus and β-catenin expression as prognostic factor of advanced ductal carcinoma of the pancreas:Ichiro WATANABE1,2, Takahiro HASEBE1, Munemasa RYU2, Kiyoshi MUKAI1(1Pathol. .Div. ,Natl .Cancer Ctr.Res.Inst .East, 2Surg. Div., Natl. Cancer Ctr. Hospital. East.)

[目的] 進行膵管癌における線維化巣(Fibrotic focus:FF) 、および接着分子蛋白発現の予後因子としての重要性を臨床病理学的に検討する。[方法] 進行膵管癌切除例23例(UICC stageIII)を対象とし、年齢、性別、腫瘍径、浸潤様式、分化度、FFの有無、および免疫染色によるE-cadherinおよびα-, β-, γ-cateninの発現を調べ、これらの因子と腫瘍の術後無再発期間および生存期間との相関を調べた。[結果] FFのみられた症例では術後の肝転移無再発期間と生存期間がFFのない症例に比べて有意に短かった(p=0.007, 0.017)。また、β-catenin蛋白発現減弱例での肝転移再発は同蛋白発現正常例に比べて有意に多かった(p=0.003)。[結論]FFの存在とβ-catenin蛋白発現の減弱は進行膵管癌の肝転移再発および死亡の予後因子として重要であると考えられた。