ABSTRACT 2198(P11-1)
膵癌長期生存に関与する因子の検討
鈴木一史1、貝沼修1、剣持敬1、中郡聡夫1、所義治1、川平洋1、浅野武秀1 (千葉大・医・二外1)
Clinicopathological analysis and detection of genetic alternation for long term survival pancreas cancer patients : Kazufumi SUZUKI, Osamu KAINUMA, Hiroshi KAWAHIRA, Takashi KENMOCHI, Toshio NAKAGOHRI, Yoshiharu TOKORO, Takehide ASANO (2nd. Dept. of Surg., Chiba Univ. )
膵癌は予後不良の癌であり、切除できたとしても早期に再発する症例が多い。今回、教室の膵癌手術症例を検討し、臨床病理学的に長期生存に関係する因子を検討するとともに、術後早期の再発の原因として術中操作による癌細胞の散布、術前に存在する微少転移巣の存在の両面から分子生物学的手法も用いて検討した。1967年から1997年までの膵癌手術症例のうち91例を対象とした。3年以上の生存が得られたのは12例であり、stageIII 7例、stage IVa4例も含まれ、進行したstageであっても長期生存が得られる症例が存在し、拡大リンパ節郭清を行って根治性が得られる症例では長期生存が期待できると考えられた。教室ではKocher's maneuverを行わず、流入動静脈の処理を先行させ、門脈を合併切除するisolation method を導入してきた。また、術中の門脈血、末梢血、肝生検組織における膵癌細胞の存在をMASA法を用いて検討しているので、isolation method の成績と併せて報告する。