ABSTRACT 2201(P11-1)
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進行大腸癌におけるN-アセチルグルコサミン転移酵素V(GnT-V)の発現:村田幸平1, 亀山雅男1, 津川猛士1, 古河 洋1, 石黒信2, 三善英3, 池田義3, 谷口直3, 今岡真義11大阪成人セ ・外, 2大阪成人セ ・病理, 3阪大・医・生化)

Expression of N-acetylglucosamine transferase V (GnT-V) in human colorectal cancer : Kohei MURATA, Masao KAMEYAMA, Takeshi TSUGAWA, Hiroshi FURUKAWA, Shingo ISHIGURO, Eiji MIYOSHI, Yoshitaka IKEDA, Naoyuki TANIGUCHI, Shingi IMAOKA (Dept. of Surg., Dept. of Pathology, Osaka Med. Ctr. for Cancer & Cardiovasc. Dis., Dept. of Biochem., 2Osaka Univ. Med. Sch.)

(目的)転移能の高い癌細胞ではNーアセチルグルコサミンがマンノースにβ1-6結合した糖鎖構造(GlcNAcβ1-6Man-R)の発現が上昇していることが in vitro で明らかにされているが、この糖鎖構造 の生成を触媒する酵素として近年精製された N-アセチルグルコサミン転移酵素V (GnT-V) の発現について免疫組織学的に検討した。
(方法)当科で1971年8月より1993年10月までの間に切除された腫瘍長径が 2.0 cm 以下の進行癌 19例(mp14例、ss4例、se1例)を対象に、GnT-Vの免疫染色を特異抗体(富士レビオ、伊藤らより供与)を用いて行った。
(結果)5 例( 26% )で癌部に特異的に発現を認めた。これら 5 例は何れも中分化型腺癌でリンパ管侵襲を認め、4 例に血管侵襲を認めた。 2 例にリンパ節転移を認めたが、これらはともに 2 群以遠のリンパ節であり、GnT-V 陰性例には見られない特徴であった。GnT-V 陰性例(n=14 )では 1 例( 7% )のみが原病死したのに対し、陽性例(n=5 )では 2 例(40% )が3年以内に原病死した。
(結論)GnT-Vの癌部での発現は悪性度の指標となり、新たな予後予測因子になりうると考えられた。