ABSTRACT 2205(P11-1)
前立腺全摘術後の予後と平均核容積の関係について:藤川慶太1,佐々木美晴2(1神戸市立中央市民病院泌尿器科,2静岡市立静岡病院泌尿器科)
The role of estimates of volume-weighted mean nuclear volume in predicting disease outcome of patients with prostate cancer treated by radical prostatectomy. :Keita FUJIKAWA1,Miharu SASAKI2 (1Depat. of Urology,Kobe City General Hospital,2Shizuoka City Hospital)
(目的)前立腺癌の予後規定因子としてstereoogyを基に計算される平均核容積 (MNV)が重要な予後規定因子であることを我々は報告してきた。しかし今までの報告は全て保存的に治療した症例の検討結果であり、MNVが前立腺全摘症例についても重要な予後規定因子となるかどうか検討されてこなかった。
(方法)静岡県内の3病院で前立腺全摘を施行した60症例について、Gleason Score、stage、neo-adjuvant hormone therapyの有無、MNVと非再発率の関係をCoxのhazard model (SPSS)を使って検討した。
(結果)MNVはPathological T 分類に有意に相関した(p<0.05)。また、MNVの大きい症例は小さい症例に比べて有意に再発率が高かった(p<0.05)。一方、Gleason Score、neo-adjuvant hormone therapyの有無は予後と有意な相関が認められなかった。
(結論) MNVは前立腺全摘術を施行した患者の重要な予後規定因子であると考えられた。主観的な病理学的分類にかわってMNVを利用することを推奨する。