ABSTRACT 2209(P11-1)
Low grade astrocytoma の治療に関する予後因子の検討:
中村光利1、小西 登2、乾多久夫2、都築俊英1、青木秀夫1、崎谷博征1、日浅義雄2(1奈良医大脳外、22病理)
Analysis of prognostic factors on treatment of low grade astrocytoma :
Mitsutoshi NAKAMURA1, Noboru KONISHI2, Takuo INUI2, , Toshihide TSUZUKI1, Hideo AOKI1, Hiroyuki SAKITANI1, Yoshio HIASA2 (1Dept.Neurosug.,22nd.Dept.Pathol.,Nara Med.Univ.)
【目的】Low grade astrocytoma に対して放射線・化学療法が有用か否かを検討するために、各因子と予後との相関を検討した。【方法】88 例の成人 low grade astrocytoma(WHO grade II)を対象とした。臨床的因子として性・年齢・Karnofsky performance scale (KPS)・手術摘出度・放射線、化学療法の有無、生物学的因子として組織型・p53 accumulation ・MIB-1 staining index・apoptotic index が生存期間と相関するかどうかを検討した。【結果】Univariate analysis で予後に係わる因子は、摘出度・KPS・放射線療法の有無であり、化学療法の有無は有意な予後因子ではなかった。また Multivariate analysis で有意差のみられたものは、摘出度と放射線療法の有無であった。最も予後が良かったのは、gross total removal され放射線治療を施行した症例(6例)であった。一方、摘出度に係わらずp53 変異があり放射線治療を施行しなかった群が最も予後不良であった。
【結論】Low grade astrocytoma では放射線療法は有用であるが、化学療法の併用は予後と相関がなかった。p53 の変異は予後との相関は認められなかったが、p53の変異に係わらず放射線療法が有用であると考えられた。