ABSTRACT 2213(P11-1)
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種々の蛍光色素を利用したマウス骨肉腫の肉眼的可視化の実験的研究:杉之下武彦、楠崎克之、野崎貴子、橋口津、平田正純、青盛克裕、平澤泰介、芦原 司(京都府立医大、整外、病理)

Experimental study on visualization of mouse osteosarcoma with various fluorescent dyes: Takehiko SUGINOSITA, Katuyuki KUSUZAKI , Takako NOZAKI , Shin HASHIGUCHI , Masazumi HIRATA , Katsuhiro AOMORI ,Yasusuke HIRASAWA ,Tukasa ASHIHARA (Dept.Ortho., Dept.Pathol., Kyoto Pref.Univ. of Med.)

【目的】われわれは生体染色可能な蛍光色素であるアクリジンオレンジ(AO)を用いてマウス骨肉腫を蛍光発色させ腫瘍の肉眼的可視化が可能であることを見出した。今回はさらに同様な可能性のある蛍光色素であるローダミン123 (RH)とドキソルビシン( DOX)について検討しAOの結果と比較した。
【方法】放射線誘発マウス骨肉腫細胞株をC3Hマウス皮下に移植し、腫瘍形成が明らかになった時点で種々の濃度のAO、RH、DOXを腹腔内に投与した。皮下組織を露出して腫瘍に各々の色素に特異的な励起光を照射した後経時的に腫瘍および周囲の正常組織からの蛍光をフィルターを通して観察した。なお、今回はその蛍光強度差を画像解析し、コンピューターを用いて定量的に分析した。
【結果】AOは10mg/kg投与2時間後に観察すると腫瘍部からのみ強い蛍光を認めた。これに対しRHはいずれの濃度でも腫瘍部、正常組織ともに蛍光を認め、またDOXは逆に両部位ともに蛍光を認めず、腫瘍だけを蛍光で可視化することは困難であると判断した。