ABSTRACT 2214(P11-1)
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化学放射線療法に伴う骨髄抑制に対する術前造血幹細胞移植に関する基礎的検討:
白石 好,小澤壯治,安藤暢敏,北川雄光,上田政和,北島政樹(慶應義塾大学外科)

Basic study of preoperative hematopoietic stem cell transplantation on radiation-induced bone marrow suppression in mice:Kou SHIRAISHI, Soji OZAWA, Nobutoshi ANDO, Yuko KITAGAWA, Masakazu UEDA, and Masaki KITAJIMA. (Dept. of Surgery, School of Med., Keio Univ.)

【目的】進行食道癌の術前化学放射線療法における骨髄抑制に対して,術前治療完遂と手術の安全性向上を目的として術前造血幹細胞移植を考案し照射マウスを用いて効果を検討した.【方法】C3H/Heマウスを使用.(1)骨髄抑制の評価として4Gy照射群と2Gy群に分け照射後にG-CSF投与し白血球増加数と骨髄培養CFU数を検討,(2)5Gy照射群と非照射群に分けLPS投与し白血球数と内因性(s)G-CSFの経時的変動を検討,(3)5Gy照射マウスを骨髄移植群,非移植群に分け盲腸結紮穿孔術を施行し生存率を検討した.【結果と考察】(1)G-CSF負荷による白血球数増加は,CFU数が回復した2Gy群では認められ,CFU数回復のない4Gy群ではみられなかった.(2)両群でLPS投与後sG-CSFが上昇し,白血球数は非照射群では増加したが照射群では増加しなった.(3)生存率は骨髄移植群が有意に高値であった.内,外因性G-CSFに反応しない骨髄抑制が強い症例に対する幹細胞導入の臨床応用の可能性が示唆された.