ABSTRACT 2221(P12-2)
ナス抽出液の癌細胞増殖抑制活性について:友田清1, 柴田清住1, 友田豊2(1名大・医・産婦,2愛知学院大・歯)
Growth inhibitory activity of egg plant extract on cancer cells : KiyoshiTomoda1,Kiyosumi Shibata1,Yutaka Tomoda2 1Dept. of Obs, Gyn. Nagoya Univ. Schol. of Med.,2Aichi-Gakuin Univ. Dent.
(目的)古くよりナスには異常細胞の増殖を抑制する作用があることが、伝えられている。我々は、ナス(へた部分を含む)抽出液をウイルス性疣贅の治療に用いて有効性を示唆するデータを得た。今回、抽出液中の癌細胞増殖抑制効果を in vitro で検討した。
(方法)1、ナスをしぼり、その水溶液を5000 rpm にて遠心を加え沈殿物を除去した。得られた上清は、限外ろ過膜を用いて分子量3000 dalton 以下の抽出液とし、EX-3000 とした。更にEX-3000 を透析し分子量100 dalton 以下の物質を除去して EX-3000-100 を得た。2、実験には、HeLa, Shiha 、Ishikawa 、HRA、SW480, NUG2、Colon 201、HepG2 の癌細胞株を使用した。3、EX-3000、 EX-3000-100 を培養液量の 10-30 % の割合で培養癌細胞に対して添加した。4、癌細胞増殖抑制効果は、MTT Assay を用いた。
(結果)1、10, 20, 30 % のEX-3000 の添加において、癌細胞株は、それぞれ対コントロール比平均46.1、 17.8、 5.6 % に細胞増殖が抑制された。特にHRA においてその効果は、著明であった。2、EX-3000-100 の添加による癌細胞増殖抑制効果は、EX-3000 の添加によるものよりもやや低下したが、HRA (卵巣癌)では強い癌細胞増殖抑制効果が、保たれた。
(結論)へた部分を含むナスには、分子量3000 dalton 以下の強い癌細胞増殖抑制活性物質の存在が示唆された。