ABSTRACT 2224(P12-2)
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各種生薬の胃癌細胞株に対するin vitro増殖抑制効果: 武田義雄、冨樫整、武田弘明、高橋恒男(山形大【医】第二内科)

Growth inhibition of gastric cancer cell line, MKN45 and KATO III by various herbal extract in vitro: Yoshio TAKEDA, Hitoshi TOGASHI, Hiroaki TAKEDA, Tsuneo TAKAHASHI (The 2nd Depart. of Int. Med., Yamagata Univercity, School of Med.)

【目的】In vitroで各種生薬による胃癌細胞株に対する増殖抑制を検討する目的で次の実験を行った。【対象】胃癌細胞株は、未分化細胞癌由来のMKN45と,印冠細胞癌由来のKATO III を用いた。正常人皮膚線維芽細胞との比較を行った。各種生薬は,知母,仙鶴草,玄草,茜根,敗醤根,大棗,柴胡10gを370mLの水で,30分100度C加熱し、0.2μmのfilterで濾過した水可溶成分を用いた。同様にツムラ滋陰至宝湯(TJ92)の水可溶成分も用いた。【方法】(1)MKN45,KATO III の培地は,10%FBS,RPMI1640, Fibroblastのそれは10%FBS,CS-Cとした。各種生薬の濃度は1.56から200μL/ mL of Mediumまで2倍ずつ,TJ92は60-500μg/mLに設定し,8wellsずつmicroplateで培養した。培養4日後に細胞増殖度をWST1 assayで測定した。 DATAはScheffe法で解析した。(2)Trypan blue exclusion法を用いた知母による胃癌細胞株と繊維芽細胞株の生死細胞の判定を行った。【結果】(1)知母,仙鶴草,玄草,茜根,敗醤根は,濃度依存性にMKN45,KATO III とFibroblastに対し,増殖抑制を示した。特に知母にはFibroblastに比し, MKN45,KATO III の増殖を抑制するという選択的抑制効果が見られた。大棗には高濃度で、弱いながら胃癌細胞株の増殖を抑制する傾向が見られた。柴胡には胃癌細胞株に対する増殖抑制はなかった。TJ92は500μg/mLでKATO III の増殖を選択的に抑制する効果が見られた。(2)知母は濃度依存性にKATO III の死を誘導するが、Fibroblastに対する影響とは解離が見られ、選択的細胞死を誘導することが示唆された。