ABSTRACT 2229(P12-2)
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ツルモウリンカ中の細胞傷害性物質の同定:大山雅義, 渡辺雅彦, 甲野拓郎, 小松一, 小山恒太郎, 杉村隆, 若林敬二(国立がんセ・研・がん予防)

Identification of cytotoxic substances to carcinoma cells in Tylophora tanakae : Masayoshi OHYAMA, Masahiko WATANABE, Takuo KONO, Hajime KOMATSU, Kotaro KOYAMA, Takashi SUGIMURA, Keiji WAKABAYASHI (Cancer Prevention Div., Natl. Cancer Center Res. Inst.)

チョウ体液中に存在するがん細胞傷害性因子の検索の一環として、チョウの食草であるツルモウリンカに細胞傷害活性があることを見い出した。そこで、ツルモウリンカの葉部メタノール抽出エキスに含まれる細胞傷害性物質の分離、精製を行った。細胞傷害活性は、ヒト胃がん細胞TMK-1を試料で96時間処理した後MTTassay法で調べた。乾燥重量200 gの葉をメタノールで抽出し、活性物質を酸ー塩基分配、preparative TLC及びHPLCを用いて分離、精製した。その結果、3種の化合物を3 - 5 mg得た。これらの化合物により、全活性の50%を説明できた。各種機器スペクトルデータから、それらはphenanthroindolizidine alkaloidであると同定した。これらアルカロイドのTMK-1細胞に対するIC50値は1 - 6 ng/mlであった。現在これらのアルカロイドの他のがん細胞に対する傷害活性及びその傷害機構について検討中である。