ABSTRACT 2232(P12-2)
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紅藻由来オリゴ糖によるアポトーシス誘発活性およびLPS誘導NO産生の抑制:榎竜嗣,佐川裕章,加藤郁之進(宝酒造・バイオ研)

Effect of oligosaccharides from red algae on proliferation and nitric oxide production in mammalian cell lines : Tatsuji ENOKI,Hiroaki SAGAWA,Ikunoshin KATO(Biotech.Res.Lab.,Takara shuzo Co.,Ltd.)

(目的)テングサやノリなどの海藻中に多く含まれる寒天やカラギーナンは、昔からところ天などのゲル固化の目的で用いられ食用されてきた。我々は、これら多糖より生成するオリゴ糖が種々の生理活性を持つのではないかと考え、検討することにした。(結果)寒天はD-galactose(Gal)と3,6-anhydro-L-galactose (Ah-Gal)の2糖の繰り返し単位からなるアガロースを主成分としている。このアガロースを酸加水分解することによりAh-Galを還元末端に持つアガロオリゴ糖を調製した。アガロオリゴ糖による前骨髄性白血病細胞株HL-60に対する増殖抑制活性をサンプル添加後40時間で測定したところ、約250μMの濃度で細胞にアポトーシスを誘発し増殖を抑制していた。また、アガロオリゴ糖は約100μMの濃度でマウスマクロファージ細胞株RAW264.7によるLPS誘導NO産生を抑制した。上記活性はκ-カラギーナンを同様に処理し調製したオリゴ糖についても観察されたが、Galを還元末端に持つネオアガロオリゴ糖およびネオカラオリゴ糖には見出されなかった。