ABSTRACT 2234(P12-2)
DeoxypodophyllotoxinとO-Methyl-β-peltatinの作用機作と副作用の検討:綿貫郷子,井上勝一(北大院・ 地球環境科学・環境情報医学)兼俊明夫(北海道衛研)
Mechanism of action and side effects of Deoxypodophyllotoxin and O-Methyl-β-peltatin from Thujopsis deliberate var. hondae Makino: Satoko WATANUKI, Shoichi INOUE (Dep. of Environ. Med. and Informatics, Graduate Sch. of Environ. Earth Sci., Hokkaido Univ.) Akio KANETOSHI (Hokkaido Insti. of Public Health)
前回ヒノキアスナロ葉中のがん細胞増殖増殖抑制物質の単離と同定を行い、肺癌培養細胞に対する感受性を比較、検討した(日本癌学会総会記事 56:596, 1997)。今回はこの2種の活性物質の作用機作と副作用についての検討を行った。形態学的観察とFrow cytometryによる解析の結果よりTopoisomeraseIIの阻害作用が考えられたので、Kinetoplast DNAのDecatenation Assayを用いて作用機作の解明を行った。副作用の検討は、ICRマウスの静脈内に投与し、病理学的検討を行った。 両物質は癌細胞の核濃縮、多核化とtubulinの重合を誘導し、更にFrow cytometryの解析からG2Mをブロックすることが明らかになった。Decatenation Assayでは、DeoxypodophyllotoxinがO-Methyl-β-peltatinよりも強い阻害活性を示した。ICRマウスに対しては、両物質とも溶解可能な最大濃度で目立った副作用は認められず、抗癌剤としての臨床応用が期待できる。