ABSTRACT 2236(P12-2)
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ブラジル産自生人参粉末のマウス由来肉腫、腹水癌及び胸腺リンパ腫に対する抗腫瘍作用:渡辺隆司、鈴木郁功(鈴鹿医療科学大・保健衛生・医療栄養)
Anti-tumor action of Brazilian autogenous carrot(Pfaffia panicul-ata) against murine sarcoma, ascites tumor and thymic lymphoma : Takashi WATANABE, Ikukatsu SUZUKI(Dept. of Clin. Nutri., Faculty of Health Sci., Suzuka Univ. of Med. Sci.)

〔目的〕Brazilに自生している人参,Pfaffia paniculata(PP)根部粉末乾燥品(パフィアジャパンKK,名古屋),のマウス由来Sarcoma(S)-180肉腫、Ehrlich腹水癌(EAC)及び胸腺リンパ腫に対する抗腫瘍作用について検討する。
〔材料と方法〕1)PPの肉腫及び腹水癌に対する抗腫瘍 作用:S-180細胞(1x105コ)をddY雌マウス(n=10, 5週齢)後足大腿部scへ,又はEAC(3x105コ)を同マウスipへ移植後7回(1〜14日間)に亘りPP(1mg)をsc投与(対S-180)、又はip投与(対EAC)し腫瘍サイズ、腫瘍重量、腹水量及び生存日数を調べた。2)PPの自然白血病発症遅延作用:PPの白血病好発AKR雌マウス(n=10, 3週齢)へのip投与(1mg), 経口投与(5mg)又はip-経口併用投与を8週間(2回/週)に亘る生存日数及び胸腺重量を調べた。
〔結果と考察〕1)PPのS-180肉腫に対する効果:対照群の移植後28日目の平均腫瘍サイズは 17.5mmであったが実験群のそれは 8.3mmであった(p<0.05)。又28日目に摘出した対照群の腫瘍重量は 10.2gであったが、実験群では 2.4gであった(p<0.01)。2)PPの腹水癌に対する効果:対照群の18日目の平均体重(腹水量)は 45g(18g)であったが、実験群では33g(6g)であり(p<0.01)、生存日数も著しく延長した。3)PPのAKRマウス由来胸腺リンパ腫肥大抑制効果:対照群の23週目の平均胸腺重量は184mgであったが実験群では55mgであり(p<0.05)、生存日数も著しく延長した。
 このようにインデイオが昔から薬として常用しているPPには滋養強壮作用のみならず、各種癌に対する抗腫瘍作用をも有することが実験的に示唆された。