ポスターセッション

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タモキシフェン関連化合物のDNA傷害作用：
大久保智子,長井二三子,牛山慶子,加納いつ（都衛研）

DNA damage by tamoxifen derivatives:
Tomoko OKUBO, Fumiko NAGAI, Keiko USHIYAMA, Itsu KANO (Tokyo Metr. Res. Lab. P. H.)

　タモキシフェンは乳ガンの治療や予防を目的として繁用されているが、肝がんや子宮がんの発生を示す報告もある。そこでタモキシフェン、トレミフェンおよびこれらの代謝物についてDNAに対する作用を試験管内反応で調べた。［方法］タモキシフェン等と反応した仔牛胸腺DNAの8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8OHdG)の含量を電気化学検出器付き高速液体クロマトグラフィーで測定した。プラスミド(pUC18DNA)に対する切断作用はアガロースゲル電気泳動により検出した。［結果］タモキシフェンおよび関連物質のうち、N-デスメチルタモキシフェンはNADPH存在下で、4-ヒドロキシタモキシフェンはジチオスレイトール(DTT)存在下で、各々8OHdG含量を増加させた。pUC18DNAに対する切断作用は、N-デスメチルタモキシフェンが最も強く、この作用はDTT、NADPH、2-メルカプトエタノールの添加で増強され、活性酸素消去剤により抑制された。α-ヒドロキシタモキシフェンにも切断作用が見られた。［結論］タモキシフェンおよびトレミフェンにはDNA傷害作用が認められなかった．タモキシフェンの代謝物であるN-デスメチルタモキシフェンに酸化的DNA傷害作用が認められた。