ABSTRACT 2239(P12-3)
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新規シクロプロパピロロインドール(CPI)誘導体、AT-5015のin vivo抗腫瘍効果:大森康男1,胡博之1,福田保路1,寺島孜郎2(1杏林製薬・中研、2相模中研)

Antitumor Activity of AT-5015, a Novel Cyclopropapyrroloindole Compound, in Murine Tumor Models:Yasuo OOMORI1, Hiroyuki EBISU1, Yasumichi FUKUDA1, Shiro TERASHIMA2(1Cent. Res. Labs.,Kyorin Pharm. Co., Ltd.,2Sagami Chem. Res. Center)

[目的]我々はCPI誘導体AT-3510がヌードマウス移植ヒト大腸癌および胃癌に高い有効性を示すことを第54会日本癌学会において報告した。今回、新規なプロドラッグ型CPI誘導体AT-5015を見出し、抗腫瘍効果につき薬剤耐性マウス腫瘍を中心にADR,MMC, CDDP,CPT-11と比較検討した。[方法・結果](1)マウス結腸癌colon26を用いた投与スケジュールの検討から、AT-5015は単回、7日間隔2分割、4日間隔3分割、5日連投のいずれの投与スケジュールでも腫瘍縮小作用を示し、特に5日連投では低用量でもregrowthは認められなかった。(2)AT-5015の活性本体AT-692SはADR, CDDP, CPT各耐性P388細胞に対し交差耐性を示さなかった。(3)P388細胞のADR耐性株による腹水腫瘍系においてAT-5015は弱い交差耐性を示したが、CDDPあるいはCPT耐性P388細胞による腹水腫瘍系では親株同様、治癒を含む高い延命効果を示した。(4)ADR耐性M5076皮下移植腫瘍に対しては親株と同等の治療効果ならびに高い治療係数(LD10/最小有効量)を示した。(5)既存薬がmarginalな延命効果しか示さないcolon26皮下移植系で70%以上の延命効果が得られた。[結語]AT-5015はin vivoにおいて薬剤に耐性な腫瘍に対して高い治療効果を示すのみでなく、広い有効投与域をもつことから、薬剤耐性腫瘍への臨床応用が期待される。