ABSTRACT 2240(P12-3)
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新規シクロプロパピロロインドール(CPI)誘導体、AT-5015のヒト腫瘍に対するin vivo抗腫瘍効果:胡博之,大森康男(杏林製薬・中研)

Antitumor Activity of AT-5015, a Novel Cyclopropapyrroloindole Compound, against Human Tumor Xenografts:Hiroyuki EBISU, Yasuo OOMORI (Cent. Res. Labs., Kyorin Pharm. Co., Ltd.)

[目的]新規CPI誘導体AT-5015 はマウス腹水腫瘍および皮下移植腫瘍に対して著明な効果を示した。今回、ヌードマウス皮下に移植したヒト腫瘍に対する抗腫瘍効果を評価した。また、マウス腫瘍をiv移植し作製した肺および肝転移モデルを用い臓器腫瘍に対する効果も評価した。[方法・結果](1)6株のヒト腫瘍(大腸癌3株、肺癌、胃癌、卵巣癌、各1株)を用いて検討した結果、AT-5015は5株/6株で80%以上の増殖抑制率を示しADR, CDDP, MMCおよびCPT-11よりも高い有効性が得られた。特にSW-1116(大腸癌)、SBC-3(肺癌)、NUGC-3(胃癌)およびA2780(卵巣癌)では腫瘍縮小効果が認められ、作用も持続的であった。(2)colon26のiv移植による肺転移およびM5076のiv移植による肝転移モデルでは、小結節が臓器上に認められる移植2週間後に治療を行った。ADR, CDDP, MMCおよびCPT-11が無効な肺転移モデルで、AT-5015は70%の延命効果を示し、肝転移モデルにおいても約140%の延命効果が認められた。(3)wAT-5015はプロドラッグ型であるが、マウス、ラット、イヌ、サル、およびヒト血漿中で活性本体、AT-692Sへ変換されることが確認された。[結語]AT-5015は既存抗癌剤の効きにくいヒト腫瘍に対して高い抗腫瘍作用を示し、マウス肺および肝に進展した腫瘍に対しても明らかな延命効果が認められた。さらに、in vivo効果が認められるマウスと同様、ヒト血漿中で活性本体に変換されることから臨床での効果が期待される。