ポスターセッション

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転写因子NF-Y阻害剤 : HMN-154：田中秀樹、大島信子、日高弘義（名古屋大・医・薬理）

Suppression of tumor cell growth with a novel NF-Y inhibitor, HMN-154: Hideki Tanaka, Nobuko Ohshima and Hiroyoshi Hidaka (Dept. Pharmacol., Nagoya Univ. Sch.Med.)

　転写因子NF-YはYA,YB,YCという３つのサブユニットからなり、cdc2, cdc25C, cyclin Aといった増殖関連遺伝子群のみならずmdr-1 (multi-drug resistance gene-1)など様々な遺伝子の発現制御に関わっている。我々は独自に考案した薬物結合分子検出法（ drug-western 法）により新規ベンゼンスルフォンアミド系抗腫瘍物質HMN-154 ((E)-4-[2-[2-(p-methoxy　benzenesulfonamide) phenyl] ethenyl pyridine)の細胞性結合分子の１つがYBサブユニットであることを見い出した。さらに、種々の変異体NF-YBを用いた実験からHMN-154の結合部位としてNF-YBのDNA-binding領域内に存在するHN-domain (KXXKXXK)を同定した。HMN-154のHN-domainへの結合はNF-Y複合体のYc-box（CCAATコア配列）への結合を阻害した。一方、HMN-154はNF-κB, AP-1などの認識配列への結合には全く影響を及ぼさなっかった。そこで、我々はHMN-154で処理した細胞において種々のNF-Y標的遺伝子の発現を検討した。その結果、HMN-154は低濃度（１００〜３００nM）でNF-Y依存的な遺伝子発現を顕著に抑制した。以上の結果から、HMN-154はNF-Yの特異的阻害剤であることが明かとなった。現在、NF-Yの機能阻害に基づく細胞障害作用についての詳細を検討している。