ABSTRACT 2252(P12-3)
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tubulin重合阻害剤を用いた固形腫瘍血流阻害による癌治療の可能性--新規tubulin重合阻害剤 AC-7700と既存薬との比較から:二瓶幸夫, 鈴木学, 岡野明, 秋山由紀雄, 堀勝義1, 佐藤靖史1(味の素(株)・中央研究所, 1東北大・加齢研)

A novel Combretastatin A-4 (CSA-4) derivative, AC-7700 exerts antitumor activity through indirect action on tumor cells: Yukio NIHEI, Manabu SUZUKI, Akira OKANO, Yukio AKIYAMA, Katsuyoshi HORI1, Yasufumi SATO1 (Central Res. Lab., Ajinomoto Co., Inc., 1Inst. of Development, Aging and Cancer, Tohoku Univ.)

【目的】近年、tubulin重合阻害剤が腫瘍細胞の分裂を阻害するだけではなく、固形腫瘍の血流を低下させることが明らかとなった。しかし、いずれの活性が固形腫瘍の増殖阻害に寄与するのか未だ充分に検討されてはいない。tubulin重合阻害剤CSA-4は最大耐量の1/10以下で固形腫瘍の血流を顕著に阻害するが、その抗腫瘍活性は極めて低いことが報告されている。そこで我々は固形腫瘍に対して高い治療効果を有する新規CSA-4誘導体AC-7700を創出し、その腫瘍血流阻害活性と薬効との関連を検討するとともに、既存のtubulin重合阻害剤と比較検討した。【結果及び考察】AC-7700はマウス大腸癌colon26 (c26) 皮下移植腫瘍の増殖及び血流(投与2-6時間後)を用量依存的に低下させた。投与6時間後には腫瘍局所に瀰漫性の出血・壊死像が認められた。またin vitroで樹立したtubulin重合阻害剤特異的耐性株c26/acrに対するAC-7700の細胞毒性は親株に比べ1/10に低下したが、皮下移植したc26/acrに対しては、親株と同等の薬効を示した。一方、既存tubulin重合阻害剤では,Colchicine(COL)を除きVinblastine (VLB), E7010がc26皮下移植腫瘍の増殖を顕著に阻害したが、いずれの薬剤も最大耐量以下では腫瘍血流に殆ど影響を与えず、腫瘍局所でG2/M期の腫瘍細胞を増加させた。しかし致死量を投与した場合、VLB, COLはAC-7700薬効量投与時と同じく腫瘍組織の血流を阻害し、出血・壊死を惹起した。以上の結果より、AC-7700は腫瘍血流阻害を介して薬効を発現する新規なcategoryに属するtubulin重合阻害剤である可能性が示唆された。