ポスターセッション

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Combretastatin A-4 の新規誘導体 AC7700の抗腫瘍効果: 腫瘍組織血流の不可逆的遮断による効果発現：堀 勝義¹, 齋藤祥子¹, 二瓶幸夫², 鈴木 学², 佐藤靖史¹ (¹東北大・加齢研・腫瘍循環, ² 味の素・中央研・生物科学)

Antitumor activity of a novel combretastatin A-4 derivative, AC7700: the effect due to irreversible obstruction of tumor tissue blood flow: Katsuyoshi HORI¹, Sachiko SAITO¹, Yukio NIHEI², Manabu SUZUKI², Yasufumi SATO¹ (¹Dept. of Vascular Biology, Inst Development, Aging and Cancer, Tohoku Univ., ²Central Research Laboratories, Ajinomoto Co., Inc.)

「目的」AC7700はtublin重合阻害剤のcombretastatin A-4のin vivoにおける効果を増強した新規抗癌物質であり, 腫瘍血管の循環機能に対する効果が注目されている.しかし, この物質のtumor blood flow (TBF) への影響の検討はいまだ十分ではない. 本研究ではAC7700のTBFへの効果を測定し, 抗腫瘍効果との相関を検討した.
「方法」AC7700 (1, 3, 10mg/kg) 投与による正常組織と腫瘍 (吉田腹水癌 LY80) の組織血流量の変化を水素クリアランス法で測定した. またラット透明窓により微小増殖巣のTBFの変化を検討した. 固形腫瘍に対する治療は, 3mg, 10mg/kgのAC7700を3 日毎に8 回 i.v.投与することにより行い, 腫瘍縮小効果, 組織学的効果, リンパ節転移への影響, survival への効果を検討した.
「結果と考察」AC7700は用量依存的にTBFの低下をもたらし, 10mg/kgでTBFは完全に遮断され, その効果は不可逆的であった. 一方, その用量で肝臓, 腎臓の血流量には大きな変化を及ぼさなかった. TBF遮断により著明な腫瘍縮小効果と組織学的効果が得られた. さらにリンパ節転移の発現と増殖を遅らせ, survivalの延長が認められた. AC7700はTBFの不可逆的遮断により効果を発揮する新しいタイプの抗癌物質であると考察した.