ABSTRACT 2254(P12-3)
新規Combretastatin A-4 誘導体AC-7700とCDDPの併用効果:須賀泰世、森永芳弘、二瓶幸夫、鈴木学、岡野明、秋山由紀雄(味の素(株)・中央研究所)
Synergistic effect of the novel anticancer drug AC-7700 and CDDP against murine tumor colon26 model : Yasuyo SUGA, Yoshihiro MORINAGA, Yukio NIHEI, Manabu SUZUKI, Akira OKANO, and Yukio AKIYAMA (Central Res. Lab., Ajinomoto Co., Inc.)
【目的】臨床においてVDS等のチューブリン重合阻害剤はしばしばCDDPとの併用で肺癌等の固形癌治療に用いられている。そこで今回我々は、チューブリン重合阻害活性及び腫瘍血流低下作用を持つ新規Combretastatin A-4誘導体AC-7700とCDDPの併用治療の有用性をマウス腫瘍モデルを用いて検討した。
【方法及び結果】マウス大腸癌colon26皮下移植モデルに対し、AC-7700及びCDDPをday7、11、15に同時投与した。その結果、単剤のMTD(AC-7700: 80mg/kg, iv、CDDP: 5mg/kg, iv)における抗腫瘍活性(day21でのI.R.)は、各々72%、74%を示したが、完全退縮に至るマウスは認められなかった。一方、両剤MTD併用では全例に腫瘍の完全退縮が認められた。更に、単剤では有意な抗腫瘍活性の認められない低用量のAC-7700(10mg/kg;I.R.= 22%)とCDDP 5mg/kgとの併用でも5/6例に完全退縮が認められた。これに対し、MTD及び低用量のVDSとMTDのCDDPの併用ではI.R.の増強は認められるものの完全退縮例は認められなかった。MTD併用時の体重減少に関しては、VDS+CDDPでは単剤投与と比較すると強い増悪が認められたが、AC-7700+CDDPでは軽度であった。以上のことからAC-7700+CDDPは、優れた併用療法である可能性が考えられた。また、現在AC-7700の腫瘍血流低下作用による腫瘍内のCDDP濃度の変化についても検討中である。