ポスターセッション

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未分化甲状腺癌細胞株に対するクエン酸トレミフェンの増殖抑制機構：岸野　亨^１,渡辺　正寿^２,金子　裕隆^３,山田　博之^３,木村 昌行^１,菅原　勇^３（^１埼玉医大総医セ・薬剤部,^２蓮見癌研,^３結核研・分子病理）

Mechanism of toremifene citrate against anaplastic thyroid carcinoma cell lines: Tohru KISHINO¹, Masatoshi WATANABE², Hirotaka KANEKO³, Hiroyuki YAMADA³, Masayuki KIMURA¹, Isamu SUGAWARA³ (¹Dept. of Pharm., Saitama Med. Ctr., Saitama Med. Sch., ²Electro-chemical & Cancer Inst., ³Molecular Pathol. Div., The Res. Inst. of Tuberculosis)

我々はホルモン依存性腫瘍の一つである乳癌の治療に用いられているクエン酸トレミフェン(TOR)の未分化甲状腺癌細胞株に対する増殖抑制機構を検討したので報告する。２種類の未分化甲状腺癌細胞株とMCF-7の細胞株を用い,[³H]-thymidineを利用し IC₅₀を求めた。また,ER,抗癌剤耐性タンパク(MDR-1,MRP)などの発現を免疫組織化学染色により検討し,RT-PCRによりER,mdr-1,mrpなどのmRNAの発現を確認した。さらに無血清培地を用いTGF-βおよびIGF-Iの添加実験を行った。TORは未分化甲状腺癌細胞株に対して細胞増殖抑制効果を示し,その効果はERを介さない事がわかった。また,TORの細胞増殖抑制効果はTGF-β添加では差が見られなかったが,IGF-I添加ではわずかに差が認められた。現在,詳細な作用機序を検討中である。