ABSTRACT 2280(P12-7)
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DHCPおよびその誘導体-(1):DHCPおよびその誘導体の腫瘍細胞増殖抑制活性:小林英二,大野木宏,榎竜嗣,佐川裕章,加藤郁之進(宝酒造バイオ研究所)

DHCP and its derivatives-(1):Effect of DHCP and its derivatives on proliferation in malignant cell lines:Eiji KOBAYASHI,Hiromu OHNOGI,Tatsuji ENOKI,Hiroaki SAGAWA,Ikunoshin KATO(Biotech.Res.Lab.,Takara Shuzo Co.,Ltd.)

[目的]ウロン酸化合物を弱酸性下で加熱することでアポトーシスにより腫瘍細胞の増殖を抑制する4,5-Dihydroxy 2-cyclopenten-1-one(DHCP)が生成し、この物質が抗腫瘍作用以外にも抗菌作用、抗ウイルス作用を有することを見出した。今回、DHCP誘導体の腫瘍細胞増殖抑制活性及びDHCPとDHCP誘導体の抗腫瘍作用に関するメカニズムについて調べたので報告する。[結果及び考察]DHCP類縁体との構造活性相関からDHCPの持つ活性は、カルボニル基と共役したα,β-不飽和結合に起因することが示唆された。この構造によりDHCPはシステイン、グルタチオン等のSH化合物と反応して2-hydroxy-2-cyclopenten-1-one環を持つ物質となるが、これらの物質もまたDHCPと同様の活性を有していた。更に、DHCPの様々な誘導体を合成し、in vitroでの腫瘍細胞増殖抑制活性を調べた結果、数種類のアシル化誘導体はDHCPよりも高い活性を示した。これらのアシル化誘導体はDHCPよりも強いtopoisomeraseII阻害活性を有していたことから、DHCP及びその誘導体の腫瘍細胞増殖抑制活性にこれが深く関与することが示唆された。