ABSTRACT 2284(P12-7)
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新規ポドフィロトキシン誘導体TOP-53の至適投与スケジュール:小武内 尚,橋本章弘,河内泰英,向井安子,山田雄次(大鵬薬品・創薬セ・製薬セ)

Optimal dosing schedule of TOP-53, a novel podophillotoxin derivative:Takashi KOBUNAI1, Akihiro HASHIMOTO1, Yasuhide KOUCHI2, Yasuko MUKAI2, Yuji YAMADA1 (1Hanno Res. Center, 2Tokushima Res.Center, Taiho Pharmaceutical CO.,LTD.)

【実験目的】TOP-53は肺への高い移行性を示す新規ポドフィロトキシン誘導体である。今回我々は、本薬剤の至適投与法を検討するため、各種投与スケジュールでの抗腫瘍効果および安全性面での検討を行った。
【実験方法および結果】(1) LLC肺転移系を用い、単回投与、連日投与および間歇投与での効力を検討した。各投与スケジュールでのoptimal doseでの効力を比較すると間歇投与、単回投与、連日投与の順で効果が高く、中でもq7dx3がILS=195%以上と最も効果が高かった。(2) 一般的に抗癌剤投与後の骨髄抑制は、ヒトでは約3から4週間で回復するのに対しマウスにおいては約1週間から10日と回復期間がヒトの3分の1となっている.そこで、骨髄抑制の回復期間を基に、ヒトでの5日間連日投与試験をシミュレートしたマウスの頻回投与試験(8時間間隔5回投与)を実施し、TOP-53の頻回投与と単回投与との比較を行った.L1210 ip-iv延命系におけるTOP-53の8時間間隔の5回投与は、同じ体重減少を示す投与量において、単回投与に比し優れた延命効果を示した。(3)非担癌マウスを用い単回投与および頻回投与での体重、白血球数、赤血球数、血小板数の変化を調べた。総投与量が等しい場合、単回投与および頻回投与では白血球数変化に差異は認めなかったものの、血小板数および体重減少については頻回投与の方がやや強い傾向を示した。
【考察】以上の結果より、TOP-53の至適投与スケジュールは、一週間隔の間歇投与であると考えられた.ヒトにおいては、その骨髄抑制の回復期間を考慮した場合、5日間連日投与も有力な投与スケジュールであると考えられた.