ABSTRACT 2286(P12-7)
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DNAトポイソメラーゼIおよびII阻害活性を有する新規な縮合キノリン誘導体TAS-103の抗腫瘍活性 V;既存抗癌剤との併用効果:青柳空美夫,小武内尚,中岡正樹,鈴木賢司,佐藤浩二,宇津木照洋,山田雄次(大鵬薬品・第一がん研)

Antitumor activity of a novel quinoline derivative TAS-103 V:Kumio AOYAGI,Takashi KOBUNAI,Masaki NAKAOKA,Kenji SUZUKI,Kouji SATO,Teruhiro UTSUGI,Yuji YAMADA (Hanno Res. Center, Taiho Pharmaceutical CO.,LTD.)

【目的】 TAS-103は,トポイソメラーゼIおよびII両酵素を阻害する新規な縮合キノリン誘導体である.今回我々は,肺癌領域において汎用されている既存抗癌剤を中心にTAS-103との併用効果を検討した.【方法】(1)マウス肺転移モデルにおけるCDDPとTAS-103との至適併用投与タイミングを検討した.(2)マウス肺転移モデルに対するCDDP, CPT-11およびVP-16とTAS-103との併用効果を検討した.【結果】(1)LLCおよびK1735M2肺転移モデルに対する至適併用投与タイミングの検討では,同時投与において最も強い延命効果が認められ,次いでCDDP先行投与,TAS-103先行投与の順に強い延命効果が認められた.(2)LLC肺転移モデルに対する同時投与での併用効果を二元配置分散分析(SASプログラム)を用いて解析したところ,TAS-103とCDDPとの併用では,それぞれの単剤あるいは二剤の交互作用が有意となり,相乗的に働くことが示唆された.また,TAS-103とCPT-11あるいはVP-16との併用では,相加的に働くことが示唆された.【考察】TAS-103は,臨床において汎用されている種々の抗癌剤との併用効果,特にCDDPとの併用において優れた併用効果が期待され,肺癌および肺転移腫瘍を含む種々の難治性癌に対する有用性が示唆された.