ABSTRACT 2305(P12-11)
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単球性白血病細胞のアポトーシス誘導におけるdeoxyadenosine誘導体の選択的効果:新津 望1,2, 山口ゆり2, 梅田正法2, 本間良夫11埼玉がんセ・研・化療,2東邦大・医・一内)

Preferential effect of deoxyadenosine analogs on apoptosis of monocytoid leukemia cells :Nozomi NIITSU1,2, Yuri YAMAGUCHI1, Masanori UMEDA2, Yoshio HONMA1(1Dep. of Chemo., Saitama Cancer Ctr. Res. Inst., 2First Dep. of Inter. Med., Toho Univ. School of Med.)

【目的】強力なadenosine deaminase阻害剤であるdeoxycoformycin (dCF)とdeoxyadenosine (dAd) との併用は、単球性白血病細胞株に対し他の白血病・リンパ腫細胞株に比して極めて低濃度でアポトーシスを誘導することを報告してきた。今回はこの選択的アポトーシス誘導効果の機序と臨床応用可能なdAd誘導体の効果を検討した。
【結果】dCFおよびdAの細胞内への取り込み、dATPの細胞内プール、adenosine deaminaseに関しては単球性細胞とその他の細胞において特に有意な差は認めなかった。adenosine kinase阻害剤であ5-amino-5-deoxyadenosineの処理でこのアポトーシスが顕著に抑制されることから、adenosine kinaseの重要性が判明した。また、caspase-3のdATP-依存性活性化と単球性白血病細胞のアポトーシスが良く相関したので、この活性化の関与が示唆された。adenosine kinaseでリン酸化されるAra-AはdAdと同様、単球性白血病細胞に対し高い選択性を示したが、cytidine kinaseによりリン酸化されるdAd誘導体においてはこの選択性は低下していた。