ABSTRACT 2306(P12-11)
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4-Piperidinopiperidineによるアポトーシス誘導と抗腫瘍作用:谷本豊1, 大西芳秋1, 小黒昌夫2,木崎治俊11東京歯大・生化,2済生会新潟病 ・内)

Induction of apoptosis and antitumor effect of 4-piperidino-piperidine : Yutaka TANIMOTO1, Yoshiaki ONISHI1, Masao OGURO2, Harutoshi KIZAKI1 (1Dept. of Biochem., Tokyo Dental Coll., 2Int. Med., Saisekai Niigata Hosp.)

[目的] CPT-11の側鎖である4-piperidinopiperidine (4-pp) はRVCリンパ腫細胞の増殖抑制をきたし、それに耐性の細胞はCPT-11にも耐性で、その一因としてbcl-2の発現増加が関与していることを報告した.そこで、ミトコンドリア膜電位 を指標として4-ppの抗作用と他の抗癌剤との相互作用を解析した.
[方法] RVC細胞の細胞増殖をMTT法で、アポトーシスをDNAの切断率で、膜電位は3,3'-dihexyloxacarbocyanide iodide を用いてフローサイトメーターで評価した.
[結果] 4-ppは濃度依存的に細胞の増殖を抑制するとともにミトコンドリア膜電位の低下を伴いアポトーシスを誘発した.また、低濃度の4-ppは etoposideによるミトコンドリア膜電位の低下を増加させ、アポトーシスの誘発と細胞の増殖抑制効果をも増強した.4-pp はミトコンドリア膜電位に作用し、アポトーシスの誘発と抗腫瘍効果の増強作用を持つことが考えられた.