ABSTRACT 2315(P12-11)
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抗腫瘍性ハイブリッド型リポソームのアポトーシス誘導と治療効果:松本陽子, 上岡龍一(熊本工大)

Liposomes - Mediated Apoptosis of T - lymphoma Cells with Marked Growth - Inhibition and Therapeutic Effects:Yoko MATSUMOTO, Ryuichi UEOKA(Kumamoto Inst. of Tech.)

(目的)リン脂質と中性界面活性剤から構成されるハイブリッド型リポソームは、均一で長期間安定な生体適合性に優れた新しい医用素材である。すでに、in vitro での腫瘍細胞に対する顕著な抗腫瘍効果が明らかとなっている。今回は、in vivo での治療効果および制がんメカニズムについて検討した。(方法)ハイブリッド型リポソームは、リン脂質と中性界面活性剤を適切に選択し、緩衝水溶液中で超音波照射することにより得た。in vivo での治療実験は、マウスの腹腔内に腫瘍細胞を移植した後、ハイブリッド型リポソームを腹腔内に投与し、生存日数を求め、延命率を算出した。フローサイトメーターおよびアガロースゲル電気泳動法によりアポトーシスを確認した。(結果)ハイブリッド型リポソームは、B16メラノーマ細胞を移植した担癌マウスに対し、延命率150〜183%と治療効果を示した。フローサイトメーターを用いた実験からは、断片化したDNA含量の経時的増大が観測された。さらに、アガロースゲル電気泳動法からDNAラダーが観測され、ハイブリッド型リポソームによるアポトーシス誘導が明確となった。マイクロフィジオメーターを用いた細胞内応答についても述べる。