ABSTRACT 2316(P12-11)
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TZT-1027 のアポトーシス誘導機構の検討 : 渡辺順一 小林基博 夏目紹隆 藤尾奈美(帝国臓器・薬理研),塚越茂(癌研・癌研究所)

Mechanism of apoptosis induced by TZT-1027:Jun-ichi WATANABE1, Motohiro KOBAYASHI1, Tsugitaka NATSUME1, Nami FUJIO1, Shigeru TSUKAGOSHI2( 1 Pharmacol. Res. Dept. Teikoku Hormone, 2 Japanese Foundation for Cancer Research, Cancer Institute)

【目的】我々はこれまで,TZT-1027 が種々のヒト癌細胞に対しアポトーシスを誘導することを報告している。今回は,その誘導機序解明のため,アポトーシスの際にラダーパターンを呈する HL-60 とラダーパターンを呈さない MCF-7 の両細胞を用い,様々な角度から誘導機構を検討したので報告する。
【結果】ラダーパターンを呈さない MCF-7 でも DAPI 染色による形態学的検討では,典型的なアポトーシス小体が観察された。次に,アポトーシス関連遺伝子 (p53, bcl-2, c-myc) の発現変動について検討したところ,HL-60 において bcl-2 および c-myc の減少,また,MCF-7 において p53 の増加および c-myc の一過性の減少が認められた。また, アポトーシス関連遺伝子産物である Bcl-2 のリン酸化についての検討では,TZT-1027 を含むチューブリンバインダーが,HL-60 および MCF-7 の両細胞に対し Bcl-2 のリン酸化を誘導することが明らかとなった。さらに,細胞周期動態 (Arrest) とアポトーシス誘導の関連についても言及するつもりである。