ABSTRACT 2318(P12-11)
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UCN-01によるヒト末梢血リンパ球のFas発現を介したアポトーシス誘導作用:須波敏彦1、福本久郎1、西條長宏1,2、福岡和也1、岩本康男1、臼田実男1、成瀬一郎1、鈴木俊宏1、具孝庭1、神谷悦功2、田村友秀2、西尾和人11国立がんセ・研・薬効、2国立がんセ・中央病・内)

Expression of Fas and Fas-ligand in activation-induced apoptosis of peripheral lymphocytes treated with UCN-01: Toshihiko SUNAMI1, Hisao FUKUMOTO1, Nagahiro SAIJO1,2, Kazuya FUKUOKA1, Yasuo IWAMOTO1, Jitsuo USUDA1, Ichiro NARUSE1, Toshihiro SUZUKI1, Hyo-Jeong Kuh1, Yoshikazu KAMIYA2, Tomhide TAMURA2, Kazuto NISHIO1 (1Div. of Pharmacol., Nat'l. Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. of Int. Med., Nat'l. Cancer Ctr. Hosp.)

【目的】UCN-01はcycline-dependent kinase阻害作用を持つ新しいスタロスポリン誘導体である。UCN-01はヒト血清中蛋白特異的に結合し血中に長く停滞すると考えられている。UCN-01のヒト末梢リンパ球に対するin vitro作用を検討した。【方法】ヒト末梢血より分離したリンパ球を50%ヒト血清またはFBS含有RPMI1640培地にて培養しリンパ球の死細胞率をトリパンブルーにて検討し、2.5nMから25nMのUCN-01で暴露したリンパ球の細胞死の状態をMYBCO-Apoptosis Kitを用いた解析で行った。更に、UCN-01処理によるCD25, CD95の変化をフローサイトメーターにて検討し、培養上清中の可溶性CD95LをELISA法にて検出した。【結果・考察】ヒト血清の存在にてUCN-01による末梢血リンパ球の細胞死は抑制された。リンパ球をUCN-01に3日間曝露させると、濃度および時間依存的にIL-2受容体とFasが誘導され、30%から45%のリンパ球がアポトーシスを起こすことが観察された。以上より、UCN-01はヒト末梢血中のリンパ球に対しFasを介するアポトーシスを誘導することが示され、UCN-01をヒトに投与した場合のリンパ球減少の一躍を担っている可能性も示唆された。