ABSTRACT 2325(P12-12)
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卵巣癌細胞株の抗癌剤感受性の比較検討:太田一郎1,五来逸雄2,城武昇一11横浜市大・病院・薬剤部,2横浜市大・医・産婦人科)

Comparative studies on chemosensitivity in human ovarian cancer cell lines: Ichiro OHTA1,Itsuo GORAI2,Shoichi SHIROTAKE1(1Dept.of Pharm.,Yokohama City Univ.Hosp.,2Dept.ofObs.and Gyn.,Yokohama City Univ.)

〔目的〕卵巣癌の治療において、抗癌剤に対する耐性の出現は臨床上重要な問題である。今回卵巣癌患者から樹立された細胞株を用い、抗癌剤に対する感受性の評価を試 みた。
〔方法〕細胞株は原発巣由来の明細胞腺癌2株、転移巣由来の明細胞腺癌2株及び乳頭状腺癌2株の計6株を用いた。抗癌剤の細胞増殖に対する影響はMTT法を用い50%増殖抑制濃度(ID50)を求め、感受性を判定した。さらにID50にて2剤を共添加し効果判定した。
〔結果〕CDDPでは5株でID50法で感受性陽性であった。Taxoid系抗癌剤は明細胞腺癌 に対して高い感受性を示した。2剤共添加ではCPMとCDDP、5-FU及びPaclitaxelとCDDP共添加時にそれぞれ単独で用いた場合と比較して殺細胞効果が増強した。また2剤共添加することにより耐性を示す細胞株がみられた。
〔結論〕現在臨床で用いられているCDDPとCPM或いはPaclitaxelとの併用は、in-vitroに おいて組織型とは無関係に殺腫瘍細胞効果を増強させることを明らかにした。