ABSTRACT 2329(P12-12)
卵巣癌に対するアロマターゼ阻害剤の適応。臨床分離ヒト癌組織のヒストカルチャー試験:吉浜 誠1,中村純二1,今井栄一1,鈴木 貴2,笹野公伸2,伊藤 潔3,佐藤信二3,矢嶋 聰3 (1雪印生科研,2東北大・医・病理,3東北大・医・産婦)
Application of aromatase inhibitor for ovarian cancer. Histoculture experiment on ovarian cancer tissue:
Makoto YOSHIHAMA1, Junji NAKAMURA1, Eiichi IMAI1,Takashi SUZUKI2, Hironobu SASANO2, Kiyoshi ITO3, Shinji SATO3, Akira YAJIMA3, (1Res.Inst.Life Sci. Snow Brand Milk Prod., 2Dept. Pathol. Tohoku Univ. Sch. Med., 3Dept. Ob&Gyn. Tohoku Univ.Sch.Med.)
【目的】今般、我々は卵巣癌のエストロジェン依存性とアロマターゼによる局所的エストロジェン産生及び、ホルモン内分泌療法(アロマターゼ阻害剤)の適応可能性を臨床摘出卵巣癌組織を用いたヒストカルチャー試験にて検討した。
【方法】臨床摘出癌組織を細片し、コラーゲンスポンジ上にて組織培養を行ない、テストステロン存在/非存在下での増殖をトリチウムチミジン取り込みにて評価した。【結果】培養可能な卵巣癌組織9サンプル中4サンプルでテストステロン(10-6M )存在下での増殖が非存在下に比べて明らかに促進されていた。また、この促進はアロマターゼ阻害剤(NKS01)の共存により抑制された。
【考察】今回観察された卵巣癌組織のテストステロンによる増殖促進はその全てがアロマターゼ阻害剤によって抑制される事からこの4サンプルに関しては明らかに癌組織中にアロマターゼが局在しており、このアロマターゼにより局所的にエストロジェンが産生されて癌の増殖に関与している事が示唆された。