ポスターセッション

一覧　トップ

卵巣癌手術検体に対するapoptosisを指標としたin vitro感受性試験の有用性の検討：中田さくら¹、宇田川康博¹、大家真治²、佐野正樹²、堀内美和¹、神津亜希子¹、進伸幸¹、青木大輔¹、野澤志朗¹、山田雄次² (¹慶大・医・産婦、²大鵬薬品・創薬セ)

Usefulness of a chemosensitivity test in ovarian cancers using apoptotic index : Sakura NAKADA¹, Yasuhiro UDAGAWA¹, Shinji OIE², Masaki SANO², Miwa HORIUCHI¹, Akiko KOZU¹, Nobuyuki SUSUMU¹, Daisuke AOKI¹, Shiro NOZAWA¹, Yuji YAMADA²（¹ Dept. Obst. ＆ Gynec., Sch. Med., Keio Univ., ²Hanno Res. Center, Taiho Pharmaceutical CO.,LTD.）

【目的】個々の卵巣癌患者のCDDPに対するapoptosisを指標とした感受性を検討するため、in vitroにおいて三次元構築を保持可能な組織培養法を用いた評価系を確立し、その意義について検討した。また、新規抗癌剤TAC-101の卵巣癌に対する有用性評価について応用を試みた。【方法】新鮮手術検体を約2mm角に細切し、抗癌剤と培地を含むゼラチンスポンジ上に静置した。7日間培養後、腫瘍片をパラフィン包埋し、薄切切片をTUNEL法により染色した。全細胞数に対するTUNEL陽性細胞の比をapoptotic indexとした。【結果】個々の検体についてCDDPのapoptosisを指標とした感受性の測定が可能であった。同時に実施したHistoculture Drug Response Assay(正診率87％)の結果からCDDP高、低感受性群に分けて検討したところ、高感受性群のapoptotic index(％)は9.90±4.65であり低感受性群の0.51±0.68と比較して有意に高値であった。よって、apoptosisを指標とした感受性は臨床における薬効を反映する可能性が示された。次に、基礎的に肝臓癌に対し効力およびapoptosis誘導能が認められた新規安息香酸誘導体TAC-101のapoptosis誘導能を本実験系にて検討した。TAC-101はall-trans retinoic acidに比して高いapoptosis誘導能を示し、またCDDP低感受性症例に対しても高いapoptosis誘導能を示した。これらの結果から、卵巣癌に対し効力面を含めた詳細な検討を行う必要性が示唆された。