ABSTRACT 2338(P12-13)
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ACNUによるヒトグリオーマ細胞株におけるg-glutamylcysteine synthetase (g-GCS)、multidrug-resistance related protein (MRP)発現誘導の分子機構の検討:五味玲,篠田宗次(自治医大・脳外)

Transient induction and posttranscriptional regulation of MRP and g-GCS by ACNU in human glioma cells: Akira GOMI,Souji SHINODA

グリオーマ株においてACNUによるMRP、およびγ-GCS の発現の誘導とその分子機構について検討した。ヒトグリオーマ株A172にACNUを負荷しMRP及びγ-GCSの発現をRNase protection assay、Western blottingを用い経時的に検討した。またグルタチオン(GSH)量の変化や膜のtransport assayを施行し機能的にも誘導されるか検討した。さらに核run on assayを行いactinomycin Dやcycloheximideを用いて発現調節機序を検討した。MRP及びγ-GCSのmRNA、蛋白レベルはACNU投与後2-4時間をピークに一過性に誘導された。GSHも同様に上昇し、細胞膜のLTC4 transport活性もMRP上昇に呼応して上昇した。核run on assayでは転写の亢進は認められなかった。以上の結果はACNUによりMRP及びγ-GCSの発現が転写後調節により一過性に誘導され、産生が増加したGSHがACNUと結合し、高発現したMRPにより排泄されることを示していると考える。MRPはACNU排泄機能を有し、ACNU耐性に関わっていると考える。