ABSTRACT 2352(P12-13)
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MGMT酵素活性の新規測定法の開発:渡辺克夫,峯浦一喜(秋田大学・医・脳外)

Development of simple analysis of MGMT activity:Katsuo WATANABE,Katsuyoshi MINEURA(Neurosurg.Serv.,Akita Univ.Hosp.)

[目的]悪性腫瘍のニトロソウレア剤耐性の主因であるMGMT(O6-methylguanine-DNA methyltransferase)の酵素活性に対する従来の測定方法は,測定に要する試料の量が多く, 生検で得られた組織の測定には不向きであった.また,RIを使用するため測定できる施設が限定されるなどの欠点もあった.今回O6-methylguanineの制限酵素阻害作用とPCR法を用いて微量試料からもMGMT酵素活性が測定できる簡便な方法を開発したので報告する.
[方法]BlueScript II のBamHI siteに,Pvu II による切断を受ける10bpsの配列を導入してpKW7を作成した.このpKW7とBlueScript II にPCR法を行い,510,500bpsのdsDNAを合成,制限酵素処理を加えた後にHeat & anneal を行い10bpsのGapを持つdsDNAを準備した.このdsDNAのGapにO6-methylguanineが配列の一部に導入されたoligonucleotideを充填しProbeを作成した.このPbobeは,O6-methylguanineの存在下では阻害作用を受けてPvu II が作用できないため切断を受けないが.MGMTと反応させるとその修復作用を受けMGMTの存在量に比例してO6-methylguanineが正常のguanineに変化して切断を受けるようになる.この変化についてPCR法を用いた定量解析を行い,MGMT酵素活性を測定した.
[結果]本方法は,従来の測定方法によるMGMT酵素活性と良好な相関を示した.RIを使用せず微量な試料から短時間で測定することが可能であり,MGMT酵素活性の測定方法として有用なものと考えられた.