ABSTRACT 2359(P12-13)
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抗癌剤耐性克服作用をもつ新規imidazothiazole誘導体 : 石橋直人1,木上昭1, 町田俊樹1, 田坂成之1, 中山邦夫1, 内藤誠二2, 小野真弓3, 桑野信彦31日研化学・大宮研, 2九大・医・泌, 3九大・医・生化)

Circumvention of multidrug resistance with imidazothiazole derivatives: Naoto ISHIBASHI1, Akira KIUE1, Toshiki MACHIDA1, Shigeyuki TASAKA1, Kunio NAKAYAMA1, Seiji NAITO2, Mayumi ONO3, Michihiko KUWANO3 (1Omiya Res., Nikken Chemicals Co., LTD., Dept. of 2Urol. and 3Biochem., Kyushu Univ. Sch. Med.)

【目的】我々は多剤耐性克服作用を有する新規化合物のスクリーニングを行っており、昨年の本総会においても新規dihydropyridine系化合物について報告した。今回新たにimidazothiazole系化合物について、耐性克服作用の検討を行った。【方法】ヒトKB細胞とvincristine (VCR) 耐性クローンであるKB/VJ300 細胞を用いて,imidazothiazole系化合物の VCR, doxorubicin および etoposide の耐性克服効果をcolony formation assay により検討した。また、マウス白血病細胞(P388)とVCR 耐性 細胞(P388/VCR)を移植したマウスで、VCRとimidazothiazole 系化合物との併用による延命効果を調べた。【結果および考察】 (1) Colony formation assay で新規imidazothiazole 系化合物 N276-5 は3μg/mlで種々の抗癌剤のいずれの耐性に対しても,ほぼ完全な耐性克服効果を示した。(2) P388/VCR 移植マウスに対するVP-16 単独投与の T/C が 104% であるのに対し、N276-5 ( 20 mg/kg 、40 mg/kg: iv)をVP-16と併用するとT/Cでそれぞれ 150%, 210% の延命効果が得られた。さらに、本化合物の作用機序についても報告する。