ABSTRACT 2368(P12-14)
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Medroxyprogesterone(MPA)の制癌剤併用効果に関する検討:小林俊介1、羽隅 透2、佐藤伸之2、藤村重文11東北大・加齢研・呼吸器再建、2仙台厚生病院)

Combined effect of medroxyprogesterone for anticancer drugs in vitro: Shunsuke KOBAYASHI, Toru HASUMI, Nobuyuki SATO, Shigefumi FUJIMURA (Dept. of Thorac. Surg., Inst. Devl. Aging & Cancer, Tohoku Univ.)

[目的]多種ステロイドホルモンの肺癌細胞に関する制癌剤modulation効果の詳細な検討は未だ行われていない。 In vitroで併用効果を検討した。[材料と方法]肺癌細胞株を用い各種ステロイドホルモン13剤と12制癌剤の併用効果を72時間培養法によるMTT法にて検討した。1)VCR単独使用時のIC50値を各ステロイド剤5μg/mlと0.5μg/ml濃度で併用したときのIC50値で除しmodulation index(MI)を算定した。2)modulation効果が最も強く認められたMPAに関して12制癌剤の併用効果とDose response curveを検討した。[結果]1)5μg/ml濃度で2倍以上のmodulation効果はdeoxycorticosterone,spinolactone,methyl- testosterone,testosterone, progesterone,MPAで認められ、0.5μg/ml濃度ではMPAのみに認められた。 2)MPAの各種制癌剤のmodulation効果はVCRに最も強く、ADR, Ara Cにも弱いながら認められた。 3) MPAのVCRに対するMIは76-2細胞MPA0.5μg/mlで2.37±0.17、0.125μg/mlで1.78±0.11、77-4細胞では0.5μg/ml, 3.01±0.21、0.125μg/ml, 1.42±0.1、と臨床使用量の血中濃度でも明確な併用効果が認められた。 [結論] MPAはVCR, ADR, Ara Cとの併用modulation薬剤として将来肺癌治療に導入できる可能性が見いだされた。