ABSTRACT 2372(P12-14)
 ポスターセッション一覧 トップ 


白血病治療薬 Idarubicin 誘導骨髄抑制に対する緑茶成分 Theanine の軽減作用:
杉山朋美、佐塚泰之(静岡県大・薬)

Theanine Relieves Bone Marrow Suppression Induced by Idarubicin : Tomomi SUGIYAMA, Yasuyuki SADZUKA (University of Shizuoka)

【目的】急性骨髄性白血病治療薬である Idarubicin (IDA) は、主作用に関連する強い骨髄抑制作用を有し、臨床使用において厳しい警告が与えられている。そこで IDA の抗腫瘍効果増強と毒性軽減を目的とし、Biochemical modulator としての作用が確認されている緑茶成分 Theanine の併用を試みた。
【方法】P388 Leukemia をBDF1 系雄性マウスの背部皮下に移植し固形腫瘍とし、IDA と Theanine を腹腔内投与後、腫瘍重量を測定した。また、血球数及び骨髄細胞数をカウントし、IDA による骨髄抑制作用を評価した。
【結果及び考察】IDA 投与により Control に比べ低下した腫瘍重量は、Theanine の併用によりさらに縮小し、腫瘍増殖抑制効果を増強した。担癌マウス血中の白血球数は IDA により有意に減少したが、Theanine 併用によりほぼ正常レベルまで回復した。同様に IDA による骨髄細胞数の減少を Theanine は抑制した。従って、Theanine は IDA の抗腫瘍効果を増強するが、IDA 誘導骨髄細胞数の減少を抑制し、IDA の主作用関連毒性を軽減する可能性が認められた。