ABSTRACT 2377(P12-14)
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多剤耐性マウス骨肉腫細胞に対する耐性克服法の検討:平田正純、楠崎克之、竹下秀之、橋口 津、村田博昭、平澤泰介、芦原 司2(京都府立医大・整外、病理)

Drug resisitance modification for multidrug resistant mouse osteosarcoma cell line : Masazumi HIRATA1, Katsuyuki KUSUZAKI, Hideyuki TAKESHITA, Shin HASHIGUCHI1, Hiroaki MURATA, Yasusuke HIRASAWA, Tsukasa ASHIHARA2
(Dept. Ortho.,2Dept. Pathol., Kyoto Pref. Univ. of Med.)

【目的】骨肉腫の生命予後を決定する因子は薬剤感受性であることは明らかであり今後骨肉腫の生存率を改善するためには薬剤耐性骨肉腫の治療が重要なポイントとなる。今回われわれはin vitroでドキソルビシン(DOX)の薬剤耐性骨肉腫に対する効果を高めるための薬剤耐性克服法につき検討した。【方法】放射線誘発マウス骨肉腫細胞(MOS)にDOXをパルス負荷し樹立した約15倍の耐性を示すP糖蛋白陽性多剤耐性骨肉腫細胞株(MOS/ADR1)を用いた。耐性克服法は免疫抑制剤( Cyclosporin A, FK506)、キノリン誘導体(MS209)、界面活性剤(Tween 20、Tween 80 )、パルス電磁場刺激(PEMFs)である。DOXに対する耐性度はMTT assayを用い、耐性克服法による細胞核内DOX結合能を落射型蛍光顕微鏡装置による測定で評価した。またP糖蛋白質発現を蛍光免疫染色法を用いて検討した。【結果】耐性克服度は免疫抑制剤で3〜30倍、キノリン誘導体で30倍、界面活性剤で7倍〜30倍、PEMFsで3倍であった。核内DOX結合能はDOX単独投与と比較し、免疫抑制剤で約3倍、キノリン誘導体で約4倍、界面活性剤で約3倍、PEMFsで約3倍に増加していた。P糖蛋白質発現には影響が認められなかった。以上より各種耐性克服法はDOXの排出機構を阻害し、耐性を克服していることが確認された。